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                 希 望 の う ち に
                                                 主任司祭 松村信也

 今年度は、4月1日に受難の主日(枝の主日)を迎え、聖週間で始まるという身の引き締まる年度の開始です。そして、7日は復活徹夜祭、8日主のご復活となります。
 この充実した年度の始まりである4月の花といえば"さくら"です。記念すべき新しい年度の門出を祝うと同時に、主のご復活を祝う最もふさわしい"喜びのしるし"として、"さくら"が教会の庭にも咲き乱れています。"さくら"舞うこの季節、老若男女、肩をより添いながら、明日に大きな夢と期待を載せて歌い、語るその姿は、また"希望のしるし"でもあります。
 しかし昨年3月、東日本で起きた大震災は、大勢の被災者の方々へ精神的、身体的に癒されることのない大きな傷痕を与え、さらに彼らの町から喜びと希望のしるしである"さくら"の木まで根こそぎ奪い取ったのです。また町や村の復興は、遅々として進展しない現実を知るとき、正直、怒りと苦痛に追いやられ、期待するどころか絶望を感じさせられます。あの日以前の被災者の方々の過去は、すべて奪い取られてしまった。取り戻したくても、取り戻せない所へ捨て去られてしまった。今も被災者の方々は、抱えきれない悲嘆を負わされ苦しんでいます。あの日を境に東日本の方々の人生は一転し、最悪の状況であるにもかかわらず、只ひたすらに明日を信じ"今日一日やれることだけ"と一所懸命働いておられる姿は、キリストの十字架への道を思い起こされます。
 忍耐強く生きる被災者の方々を主は、見捨てることなく、必ず御心のうちに甦らせて下さることを信じています。そのために十字架に架けられ、死んで復活されたのです。
 休むことなく続く被災者の方々の"今日一日やれることだけ"、この言葉に込められた願いを、しっかりと受け止め皆でつないでいく、それが復活の始まりです。
 被災地から離れた者に託されたこと、それは東日本の方々に希望を届けることです。現地でのボランティア活動、彼らのために毎日祈りを捧げること、彼らの町や村の復興のための募金活動などなど、先ず、つながることから始めましょう。それが支援であり、"人と人とのつながり"であり、彼らと痛みを分かち合う共生と復活の始まりです。
 幸いなるかな、私たちの共同体には、素晴らしい地区会を持っています。この地区会の"つながり"をさらに、もっと大きく強くする為に東日本の人たちと共生しながら、さらなる協働の輪を広げましょう。それが地区会の目指す暖かい、住みやすい、暮らしやすい"人と人とのつながり"を社会に向けて発信することだからです。
 見えてこない明日だけど、誰も知らない明日だけど、何もしなければ何も変わらないのです。み んなで愛と勇気を持って"つながり"を大切に、一人ひとりの真心で希望の光を運びましょう。

             Happy Easter!

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