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         神 の 子 の 輝 き

                                   助任司祭 片柳 弘史

 夏のあいだ、みなさんいかがお過ごしでしたか。きっと海水浴、花火、BBQ、夕涼み、高校野球など、夏ならではの楽しみを満喫されたことでしょう。
 
 わたしにとってこの夏一番の思い出、神様から頂いた最大のプレゼントは、教会学校のキャンプのあいだに起こった一つの出来事でした。7年前から教会学校のリーダーとして大活躍しているU君が、迷いに迷った末、ついに洗礼を受ける決心をしたのです。

 キャンプ最後の晩のことでした。子どもたちが寝静まり、リーダーたちが集まって話していたとき、一人のリーダーが「そろそろ洗礼を受ける決心をしたらどうだ」とU君に声をかけました。いつもなら「うーん、まあそのことはまた後で」と言ってはぐらかす彼から、そのときは何と「うん、そうだね」という答えが返ってきました。

 翌日のミサの中で、U君の洗礼準備のために祈り、また彼自身から子どもたちに向けて洗礼を受ける決意をした経緯を話してもらいました。彼が話してくれたのは、次のようなことでした。

「昨日の晩、キャンプ・ファイヤーに全力で取り組んでいるリーダーや子どもたちの姿を見ているうちに、ふと自分にも昔あんなふうに輝いていたときがあったことを思い出しました。洗礼を受けることで神様の子どもとして生まれ変わり、あの輝きをもう一度とり戻したい、心からそう願っています。」

 学校を卒業した後、さまざまな困難と闘いながら生きている彼がそう語るのを聞いて、わたしを含め彼のことをよく知っている仲間たちは思わず涙をこぼしそうになりました。全てに命を与える聖霊の光が、教会学校のリーダーや子どもたちを通して燦然と輝き、困難の中で苦しんでいた一つの尊い魂を救ったのです。

 現在の日本社会には、彼のように「もう一度輝きたい」という願いを心の奥底に秘めながら、光を探し求めて苦しんでいる人たちがたくさんいるだろうと思います。もし教会に集ったわたしたちが神の愛に固く結ばれ、喜びと平和のうちにまばゆい光を放っているならば、きっとその人たちは教会に救いを見いだすに違いありません。

 福音宣教は、人間の言葉や力によってではなく、わたしたちを通して発せられる聖霊の輝きによって完成される。この出来事を通して、とても大切なことを学ばせてもらいました。どうぞ皆さん、U君のために祈ってあげてください。


 

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