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図書紹介
        パウロの福音
                               カルロ・マリア・マルティーニ著
                                    女子パウロ会 2009年

 この人の本はどれもすばらしいと断言したくなるのがマルティーニ枢機卿の著作です。師はもともとイエズス会士で新約聖書学者であり、グレゴリアン大学の学長を勤めた後、ヨハネ・パウロ2世によってミラノ教区大司教に任命された方です。日本語にも多くの翻訳がありますが、今回ご紹介するのが『パウロの福音』です。
 この本では、パウロのシンプルさと複雑さとがともに明快に示されています。シンプルなのは、復活したイエスに出会って以来、一途にそのイエスに付き従って生きたということです。複雑さとは、パウロ自身が反逆者であったことの負い目を背負いながら、懸命に福音宣教をしながらも苦しい人生を生きたという「信仰はそんなに簡単ではない」事実にあると思います。
 パウロ年を過ごしている私たちにとって、どうしてベネディクト16世がパウロ年を設定したのかを解き明かしてくれる本であると思います。ぜひご一読を!              吉村 


 

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