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図書紹介

 「忘れ物のぬくもり」
                                     塩谷直也著 
                                       女子パウロ会出版

 聖書 − それは人間の罪深さの事例集。その罪深い人間を処罰の為でなく、救いの為に捜査し、見つけ出すという壮大なレポート。そこで読んだドキドキする内容を8年にわたって雑誌「あけぼの」に話した、と著者の塩谷氏の弁。それに日本キリスト教団梅ヶ丘教会の礼拝・聖書研究会で語られたことをあわせて、一冊の本にまとめられた。
 テーマ別に自分の体験談と聖書のことばを引用しながらの文章は読み易く、イエスと弟子との関係の中で少し角度をかえた見方に思いを新たにしたり、納得したりする。
 人を愛するとはその人のありのままを受け入れる。即ち勝手な自分の願望に当てはめるのではなく、現状の相手を直視し信頼することが愛であろう。自分の作り上げたイメージ、先入観を捨てきることが愛ではないか。自分の願望を投影したイエスとはお別れせねばならない。信仰とは最終的にわたしの思い込んだ神と決別することなのだ。つまり神を捨てることに他ならないとの逆説的な言。
 誰に理解されなくても少なくとも神が私の思いを知っておられる。誰が評価しなくとも「隠れたことを見ておられる(マタイ6-4)」ことを知って明日へのささやかな力が与えられ、この世の不条理を乗り越える希望を与えてくれる。
 わかり易い文章の中に時折出てくる宮崎弁が、著者の温かさ、優しさ、ユーモアで私たちに語りかけてくれる。神のことばを通して人生の歩みに光を与えてくれる。       
                                             (藤井恵津子)

 


 

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