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図書紹介 |
「いま、聖書をよむ」
高柳 富夫 (梨の木舎 2004年) 日本キリスト教団中野桃園教会牧師である著者は、旧約聖書の専門家です。この本は、5回の公開講座の講義を原稿に起こしたものですから、読みやすい文章になっています。 創世記の第1章から第11章までを原初史といいますが、ここの部分はアブラハム登場前の、いわば全人類の起源について語られています。聖書全体の最初ですから、神からの大事なメッセージが凝縮していることが想像できます。しかし、今までなされていた理解には不十分さがあることを著者はいくつも指摘しています。 「神の似姿」である人間は、「神と相通じる本質」を与えられていること。バビロニアの神話では、「神にこき使われる卑しい存在」でしかなかったのに対し、「人間の尊厳」を強く訴える人間の起源を主張していること。 女の創造は、「彼と向き合う助け手」と訳すことがふさわしいと説明し、「向き合う」ことに男女の関係の本質があるとします。すなわち、「向き合う」ための関係は、見上げるのでも見下ろすのでもなく、対等であることが「向き合う」ための関係であること。そこに男が先だとか、女は男の助手みたいなものだなどという考え方は存在しないこと。 この本は、多くの人に「はじめての原初物語の意味がわかった!」と感じさせる内容がたくさん書かれています。是非お読みになることをお勧めします。 (吉村) |
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