2006年1月25日にベネディクト16世のはじめての回勅「神は愛」が公布されました。この回勅によって私たちは改めて、新しい教皇の精神の中心にあるものをはっきりと認識したわけです。それで、教皇の考え方や、どんな方であるかを知りたいと考えてこの「信仰について」という本を読みました。これは21年前、教皇が枢機卿であった時代に、ジャーナリストであったメッソーリがインタビューして、記録していたものですが、たとえ21年もたっているとしても、教皇の基本的な考えは変わらないでしょうし、その人となりや考えは伝わってくると思います。もし興味があって、お読みになれば、依然として今日的である問題についても、教皇の考えを窺い知る事ができます。
内容は、「第二バチカン公会議について」、「信仰の危機、教会の危機について」、「種々の危険信号について」、「道徳の悲劇について」、「女性について、マリアについて」、「今日の霊性について」、さらに「典礼について」、「終末について」、「エキュメニスムについて」と簡単に書かれています。最後に宣教の精神として「真理は開放し、救う知識である」と明言し、「神はすべての人々が救われて、真理を知るようになる事を望んでおられる」という聖パウロの言葉が述べられています。既に教会について知っておられる方におすすめしたい本です。
(三輪黎子)