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日々の雑感

  教会には復活祭以降、病気の苦しみの中で信仰を求め、神の癒しの力を願って洗礼を受けられた数名の方々がおられます。教会共同体の中にも、ご高齢や重病のため療養中の方々が少なくありません。病気に耐える力と回復の恵みを皆様とご一緒に祈る毎日です。また、数名の幼児洗礼があり、夏には中学一年生の男子生徒二名が自ら洗礼を望み信仰を学んで受洗。同じく前途有望な青年男女三名が、熱心な準備を経て受洗され、大きな希望を感じました。これからの社会を担って行く若者たちが神の子供として健やかに成長し、キリストの救いの福音を伝えてくれるように祈って止みません。

今年のニュースの中で日本が世界一を占めたのは長寿記録更新であり、平均寿命が男性79歳、女性86歳に伸びたことでした。日本は山々があり海に囲まれ、四季おりおりの大地の恵みと海の幸が豊かな環境にあり、医療・介護も充実しつつある恵まれた国に住んでいるからだろうと思います。神の計らいと国を支えてきた先輩の方々に感謝する日々ですが、此の地上には平均寿命60歳という短命の国々もあり、また数知れない“小さな人々”と戦争や天災の被害に喘ぐ多くの難民がおられるのです。どうして人間の世界はこんなに不公平なのだろうか、と嘆きつつも祈らざるを得ません。

ところで、日本人の寿命はまだまだ伸びて行くのでしょうか。100歳、110歳の方々が町を闊歩するような時代が来るのでしょうか。否、と言いたいところですが、たとえそうなったとしても、人間は必ず此の世を通り過ぎて行くのです。何ぴとにも人生は一回限りです。“此の世”は神様が創造された美しい世界ですが、何故か不完全に創造されているので、人間が到達できる永久の幸せや完全な目的は、此の世にはあり得ないのです。♪♪あーそれなのに、それなのに、多くの人はお金や仕事のことで頭が一杯になり、此の世が全てであるかのように快適さと安楽さばかり求めています。

他方で、世界一のニュースは15歳以下の子供の数が総人口の13%に減り、出生率が1.25と最低率になったことです。確実に、逆ピラミッドの道を歩み始めました。時々耳にします。“最近の子供は遊ぶ友だちも少ないし、塾に行かされて可哀想そうね。だから親が甘やかすのでしょう”と。30代〜40代の若い親は、変化の多い複雑な時代に、どのように教育すれば良いか迷っているのかも知れません。しかし、また耳にします。“忍耐心や責任感のない子供が増えたのは、親の教育が悪いからでしょう”。それでは、一体誰がそのような親を育てたのでしょう。“それは30代〜40代を育てた60代〜70代の親が、戦後の成長期に甘やかしてしまったからでしょう”と。

 私たちの悩みや不安を解決してくれる答えは、どこにあるのでしょうか? 唯一の答えは“信仰”にしかないと確信します。子供や若者に対しては、健全な宗教教育が必須であると思います。それは難しいことではなく、親が子供に「生きた信仰」を見せることではないでしょうか。親の願いは例外なく、子供の幸せです。子供の永遠の幸せです。その幸せは神の前で誠実に生きて行くこと、にあるのです。子供も親の信仰を見ながら成長し、親は有り難い存在だと感じるのだと思います。 私自身は今頃になって、(天国にいる親に)孝行をしなければと反省していますが、今からでも遅くはないでしょう? 親孝行は「父母を敬いなさい」と言われた神の心であり、私たちの信仰の土台でもあるのです。
                                                桜井神父

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