<アッシジのフランチェスコ>
キアーラ・フルゴーニ著 白水社
12世紀後半から13世紀前半にかけて生きたこの聖人の魅力的な生涯について、社会情勢を大変分かり易く背景として、1人の人間の生き様、同時に神に心をとらわれた人間の生き様を丁寧に書いています。
<アッシジの聖フランチェスコ>
ジュリアン・グリーン著 人文書院
詩的な美しい本で、じっくりとフランシスコを味わって読みたい方にお薦めします。まるで中世の彼の時代に生きているようで、それでいて資料は非常にはっきりと説明されています。著者ジュリアン・グリーンの特徴ある文の運び方も読みやすいと感じられます。著者自身の信仰も感じられ、フランシスコが長い世紀にわたって人々の信頼と興味を集めてきた理由も理解できます。
<アッシジのフランチェスコ>
川下 勝著 清水書院(センテュリ-・ブックス)
著者はコンベンツアル聖フランシスコ修道会の司祭。フランシスコ修道会の誕生と当時の社会的背景を書きながら、同時にフランシスコの人間性や交友関係などを、細かく描いている労作です。フランシスコの生涯と思想についてまとまった本をお読みになりたければ、簡単に読める本です。
<アッシジからの伝言>
小平 正寿著 社会評論社
聖フランシスコ修道会の司祭である著者が、日々感じ、考えた事を書き綴られた本です。フランシスコについてのものもあれば、フランシスコに従って生きる著者の心を横切った人々への語りかけもあります。例えば、アッシジにある山の隠遁所カルチェリについて、「フランシスコが祈るためにこもった隠遁所です。彼においては祈りがすべてでした。たとえそれが騒がしい街中でも、頭巾をかぶり、衣で顔全体を覆う時、そこが彼の隠遁所となったのです。しかしもっと祈りに集中したい時、キリストをもっと身近に感じたい時、彼は山の静けさと寂しさを選んだのです。それがモンテ・スバシオの岩屋(カルチェリ)であり、ラヴェルナ山での洞穴での隠棲です。」と書かれていますが、私達に祈り方を教えてくれる言葉です。フランシスコを探しに行きたいと感じさせる簡単なイタリア紀行も最後に付け加えられています。やさしい言葉で述べられていますので、どなたにでもお薦めできる本です。
<真の智に至るまで>
エロワ・ルクレール著 光明社
教会報2003年2月号でご案内しました本書は、フランシスコの祈りの精神の中枢、祈り方の単純さを示してくれるので、重ねてお薦めします。
ビデオ<ブラザーサン・シスタームーン>、
<神の道化師 フランチェスコ>
前者は1972年制作のもので、青年向きです。後者は、1950年制作。聖フランシスコの小さき花から取られた話で、中世期の単純な人々の心や生き方を彷彿とさせます。
(三輪黎子)