2月5日、日本二十六聖人の祝日に六甲の信者5人からなる「長崎への道」巡礼団は、11時頃目的地の西坂殉教地跡に到着しました。私たち10名の信者はその完歩祝いにと、西坂記念館にて合流し喜びを共にしました。午後2時より高見長崎大司教司式の二十六聖人記念ミサが、記念館前の広場にて始まりました。当日は晴天に恵まれ、司祭団100名程、信徒は長崎近辺より3000人ほど集まり、それはそれは素晴らしいミサでした。
その後、私たちは二十六聖人の記念館を見学しました。その時あるハプニングが起きました。この巡礼の幹事をされていた婦人が「神父様、案内してあげて下さい」と私に言われました。その言葉を聞いた時、私は直感的に私たちは六甲の信者である、六甲はイエズス会の教会である、記念館もイエズス会の経営である、だから幹事さんは私に皆さんの入場料を無料にしていただけるよう交渉して下さいと言っているように解釈しました。私は受付に入り、係りの人に私たちは神戸の六甲教会から来ましたと挨拶しました。私はカトリック六甲教会と言えば、すぐイエズス会と分ってもらえて、どうぞお入り下さいと答えが返ってくるものと甘く考えていたのでした。ところが受付の方は怪訝な顔をしてじっと私の顔を見つめていました。私はローマンカラーをつけておらず、受付の方は「この人は何者でしょうか」という目で私を見ていました。私の背中に何かつめたいものが流れました。気まずい雰囲気が漂ってきました。しばらく沈黙!どうしようかとまごまごしていると、巡礼団の一人の婦人が「神父様、入場料なら私たち出しますよ」と言われ、私はほっとしました。そして六甲教会と言うだけで、イエズス会だと理解して無料にして下さると考えたことは何と浅はかなことだったと気がついた時、また汗が流れてきました。一人の信者さんの発言によって、私たちは無事に見学を終え記念館をあとにしました。 以心伝心の難しさを改めて知らされた次第です。
その夜は長崎駅に近い、最近有名になった東横インのビジネスホテルに泊まり、夕食は近くのレストランにて完歩された方々を中心に17名程の方々と貸切の部屋に集まって「おめでとう」とわいわいがやがや楽しい豪華な夕食が始まりました。
その後3泊4日の予定で、大江の教会、島原の教会、雲仙の教会、博物館等を見学しながら実りの多い巡礼を続けて参りました。巡礼は、雨、風、雪など自然の猛威もありましたが、見学の時には不思議と太陽が顔を出す恵まれた楽しい巡礼が出来ましたことを神に感謝しております。これも皆様の祈りと励ましあってのことと思い感謝しております。どうも有難うございました。
安芸瑛一神父