ホーム 六甲教会について お問い合わせ
図書紹介

ナルニア国物語

C.S.ルイス 著

 年末年始の北米映画興行収入によると、ファンタジー巨編〔ナルニア国物語 第1章・ライオンと魔女〕が3280万ドル(約38億5000万円)と首位で、先週までトップの〔キング・コング〕(3160万ドル)を逆転したそうである。

 著者に惹かれてこの本を読んでみて、講談社の少年少女文学全集に夢中になっていた小学校の頃を思い出した。この本は小学高学年から60歳に手の届く私のような者でも楽しめる内容である。この世界にいる子供たちが、お屋敷の衣装箪笥のドアから全く別の世界であるナルニア国へ足を踏み入れることから物語は始まる。そこで、子供たちは勇敢に行動し、この世界との間を往復するという全7巻よりなる胸躍る空想物語である。しかし、この本はモンテ・クリスト伯の痛快極まる復讐物語や潜水艦ノーチラス号による冒険物語などではなく、イエス・キリストの物語である。すべての作品の中心にイエスに比したアスランというライオンがいて、子供たちがそのアスランと出会い、その導きによって物語が進行し、善と悪の戦いを通して子供たちの魂が成長し、正しい生き方を学んでいくことになる。世界の創造、堕落、イエスの死と復活、再臨などのキリスト教の中心となる教義がやさしい言葉や挿話で説明されており、著者の詩人としての豊かな想像力と着実に話を進行させるという学者としての論理構成力が如何なく発揮されている。

 C.S.ルイス(1898−1963)は、1924年以来オックスフォード大学とケンブリッジ大学で英文学を講じてきた学者である。英国国教会の平信者であり、高度な神学的な問題などには目もくれず、未信者である隣人たちに、クリスチャンが抱いてきた信仰を易しく説明し、弁護するという立場を貫いてきた人である。

   

(志垣)


 

ページ先頭へ ホームへ
 六甲教会について お問い合わせ
(C) Copyright 2002 Rokko Catholic Church. All Rights Reserved.