いまを生きる言葉　「森のイスキア」より

佐藤初女　著
講談社

　佐藤初女さんは、映画「地球交響曲（ガイアシンフォニー）　第二番」に取りあげられた方で、この六甲教会でも講演をされているのでご存知の方も多いことと思います。彼女は、弘前市内の自宅“弘前イスキア”と三方森に囲まれた岩木山麓に“森のイスキア”を開設され、訪れる人をいつでも誰でも温かく受け入れて手作りの料理を共にしながら、それぞれの人のかかえる悩みや苦しみに共感し、多くの人々に生きる勇気を与えていらっしゃいます。

この“イスキア”とは地中海にある島の名で、心を病んだ青年がそこで暮らす内に元気を取り戻したという物語にちなんでつけられたそうです。

　この本は、彼女がどう考え、どのように生きていられるのかを、やさしく短い言葉で書かれています。それは母として、妻として、家庭を預かる私達が心したいことでもあります。例えば“心を込めて食事の支度をしたり、一緒に食卓を囲んだりという、もっとも平凡な営みの中にこそ深い祈りがあると思っています。母性愛とは、言葉を替えれば受け入れること。今の世の中に足りないものは、あるがままの自分を受け入れてくれる場です”と。

　この本を読んで、我が家が家族にとっての“イスキア”となるようにと願いました。

　　

（福島きよ子）