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図書紹介 |
『待ち望むということ』 ヘンリJ.M.ナーウェン著 著者は1932年オランダ生れのカトリック司祭である。彼の著作は30冊以上に及ぶが、この本はその中での一つの小品である。その短さにもかかわらず読む者の一人ひとりの心に届く静かで豊かなメッセージを得ることができる。 殆どの人が「待つ」という態度は時間の無駄だと考える今日、待ち望みつつ生きることの、霊的な意味について深く考えさせられる。 本書の中に、癌に臥す身となって絶望の縁に沈んだ働き人がナーウェンと1冊の本を読んで霊的に息を吹き返すエピソードが載っている。彼はかつて社会的に有為な人材であり、活動的な働き人であったのである。しかし、いまや彼の前に待っている運命は、まったく無力であり、排泄の始末さえすべて他人に拠り頼まないでは生きていけない「無力な存在」としての生き方であった。 彼はナーウェンに問う。「もう何もすることのできない自分を、どう考えたらよいか助けてくれないか?」こうして彼はナーウェンと二人でイエスの生涯を改めてたどることになり、イエスの生涯もまた「死に渡される」前後で二分されていることに気づくのである。すなわち、主体的、能動的に生きられた人生の前半と、まったく受動的、委任的に生きざるを得なかった人生の後半の両者が、神の御手にあって等しく価値を持つということの発見である。 苦しみと受難のさなかに、自分で何も操作できなくなった時こそ、待ち望むことの中に、神の愛が働き、復活を予知する経験が与えられる・・・と述べておられる。 (K.A) |
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