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ノベナの祈り

ノベナの祈り第2日目の祭儀を担当してくださった青年会の方々より感想が届いています。

「阪神淡路大震災10周年記念祭儀」に参加して

ノベナの祈り第2日目に祭儀中の聖書朗読を任せてもらいました。私は最近になって関西に移住してきたため、阪神淡路大震災に関する行事に参加したことはこれまでありません。第2日目のノベナの祭儀は静かな祈りとカメラータの歌声に包まれ、厳粛な雰囲気の中にも癒しを感じ、たいへん印象深いものでした。
10年前、連日テレビの画面を食い入るように見ていたのを覚えています。祭儀の後に青年会の信者さんに震災当時の様子を伺いました。「みんな倒れたマンションの傍らを歩いて通勤していた」という様子や、「六甲道の高架橋が崩落していた」という証言を聞き、神戸のみなさんが壮絶な体験をされ大きな衝撃を受けていたことを察します。被災したみなさんが受け入れがたい現実を受け入れ、復興に立ち上がり今日に至っているということを、震災を経験していない私は、震災に関するこの祭儀に参加して初めて垣間見るのです。
大切な人を亡くした悲しみや、大切な財産を失ったことによる経済的負担など、10年後の今も震災の影響は進行形のはず。それでも神戸のみなさんは他の地域からの移住者である私に当時の記憶について冷静に聞かせてくれます。被災したみなさんのたくましさや寛大さが見えてきます。10年間を助け合い支え合ってきた神戸のみなさんとともにこのノベナの祈りで被災者の復興と平安を願い、希望や励ましを分かち合うことができ、本来なら被災者を慰問するべき私は逆に皆さんから癒しと励ましを受けていると光栄にも感じるのです。    

青年会  鈴木 太郎

青年会との出会いから約1ヶ月後、ノベナにて共同祈願をさせていただきました。青年会での初の大仕事で大変緊張しました。無事終えた時は、やはりホッとしました。
その後席に戻って、カメラータ神戸の皆様のすばらしい歌声に聞き入り緊張が解けると、震災当時のことを思い出しました。私はその当時、鷹取教会でボランティアをさせていただきました。その時見た町の光景が浮かんできたのです。あの衝撃は今も忘れられません。辺り一面焼けて、町は黒と灰色で埋め尽くされていました。目に入る色は、空の青と雲の白だけでした。教会では被災された方に救援物資を渡していましたが、どのように励ましの声を掛けたらよいかわからず、ただ話を聞かせていただくだけでした。
あれから10年。あの時見た光景は、もう見られなくなりました。でも被災された方、家族を亡くされた方の見えない心の傷はまだ残っています。このような祈りの機会に恵まれたことに感謝します。

青年会  黒森 香織

 普段何気なく生活していると10年前の出来事をつい忘れがちになってしまいます。今回の祈りの集いを準備していくうちに、10年前に目の前で起こっていた悲惨な出来事が次々と思い出され、あらためて心が痛みました。今回の祈りの集いが、われわれ被災者にとって、震災のことを思い出し、その体験を後世まで語り伝えていくきっかけとなりますように。         

青年会  千原 均

   


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