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図書紹介 |
「キリスト教とは何か」 カール・ラーナー著 百瀬文晃訳 私の生徒時代、神とは生き生きとしていて、さわやかで清らかさがあるものだと思っていた。求道者時代、「神の存在証明」を聞いた。なるほど、そうだと思ったが、何かが足りないと思ったので、受洗後も考えるともなしに考えていた。そして32年を経てこの書物に接し、納得のいく説明が得られたと思った。 「神の存在の認識は、この世界を経験し、観察し、考えることによって得られる。人間は絶対的な神秘を志向するように創られている。」このことを踏まえて、キリスト教の主要なことを説明されているのである。 故ラーナー神父は、故武宮神父の友人であり、百瀬神父は生徒時代にも武宮神父から指導を受けている。不肖私も武宮神父から教えを受けたのでこの書物を読んでみたのである。 ラーナーの著書は難しいと言われている。私もそう思う。それはラーナー神父が心にあるものを語ろうとされる時、非常に丁寧に掘り下げて、何とか言葉で表現しようと苦労されているからであろうと推察される。 一般に悟りとか、霊妙なものについては言葉での表現することが難しいのであまり説明しないことが多いようである。しかし詩人は心の中を大自然とか世の中のことなどを用いて表そうとする。イエズス様は例えが使えそうなことは例えで話された。ところが詩人的にも、また例えでも無理な内容がある。百瀬神父も「理解のための努力」を示唆しておられる。ラーナー神父ご自身も、神様のことをもっとよく考え、また感じようとしておられるのであろう。私はこれからもこの書物を座右の書としたいと思う。 沖原司朗 (数年前に絶版になったようであるが、教会の図書室には入っています。) |
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