フランスのラコルデール神父は、19世紀の最も有名な雄弁家であったようです。こんな逸話が残っています。
或る日、旅行をしている時に、隣りにいた無神論者が彼にこう言いました。「私たちの理性で理解出来ないことを信じるなんて、ナンセンスだ!」
そこで、ラコルデール神父は彼に質問しました。「あなたは、同じ原因が正反対の結果をもたらすことを理解出来ますか? 例えば、火というものがバターを溶かすのに、どうして同じ火が卵を堅くするのか理解出来ますか?」
「いいえ! 私には、そんなことは分からん。しかし、そのことから一体どういう結論が出されると言うのか?」
「結論は簡単です。あなたはそのことを理解出来なくても、先程お弁当のオムレツを喜んで食べたのではないでしょうか?」
(ホセ・ヨンパルト神父)