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[大いに語ろう会]講演報告 |
講師:神戸大学法学部 五百旗頭真教授 アメリカにとって,真珠湾と9.11テロとは,2大悪夢であり,前者は第一次世界大戦後の,後者はクリントン大統領時代の一国平和主義路線を変更させることになった。 ブッシュ政権のアフガンに対する単純な決戦主義は,9.11テロを放置すると21世紀は 集団殺戮の時代になるという危機感からロシア,中国を含めて国際社会に受け入れられた。 イラク戦争については,アメリカ国内でも当初から疑問の声があったが,ロシア,フランスが国連の場で反対し,大国の間で意見が分裂したことは大きな出来事であった。湾岸戦争,アフガン攻撃の経緯から判断して,アメリカの軍事的勝利を疑う者はいなかった。軍事的勝利には,大きな秩序効果がある。しかし,戦勝後のイラク占領と中東政策はもたついている。これはアメリカの対イラク占領政策の未熟による。 パレスチナ問題の解決には,イスラエルの譲歩が不可欠である。シャロン首相は、テロリストに対する逆テロリストであるが,ロードマップに署名した意義は大きい。 北朝鮮は,イラク戦争からアメリカに逆らった場合の仕打ちと,戦争抑止力としての核武装という教訓を得た。胡錦濤の中国は,北朝鮮に対し,非核,平和的解決,現体制の安全保障という3原則を持っている。韓国は,駐留米軍の不祥事で反米感情が高まっているが,大局を見逃してはならない。 米,中,韓などの温度差を調整できるのは日本であり,国際的な指導力を発揮して,東北アジアを戦争による修羅場と化すことから防ぎ,経済と文化の発展で繁栄させるべきである。
(壮年会:志垣) |
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