2003年
8月6日午後1時にオープンした平和旬間プログラムはまず、砂田房子さんの広島の証言で始められました。砂田さんは、爆心地から800メートルの所で被爆されたにもかかわらず、たった一本の柱の蔭にいた為に放射線の直射をまぬかれ、一命を得られたそうです。砂田さんは被爆後58年間8月6日は一度も外出できなかった、平和記念集会にも出席したことはなかったが、今日は六甲教会の招きに応じて初めてこの日に外出したと伺ったとき、58年間拭うことの出来ない原爆の重みに耐えてこられた砂田さんの痛みが私の心にしみ入りました。
ミニコンサートは素晴らしくて、当日ご出席戴けなかった方々に「お気の毒」と申し上げたいほどです。折川真理さんのバイオリンは砂田さんの証言に打ちひしがれた心を慰め、柔らかく包んで神の御手のわざ宇宙へと導き出してくれるようでした。伴奏をして下さったのは林典子さんです。彼女はずっとドイツでピアノの勉強を積まれたプロの方です。控えめでありながら存在感のあふれる演奏は失礼を顧みず言わせて戴くならば「さすが!」と唸るばかりです。
栗原貞子さんの原爆詩二編が本田由美子さんによって朗読されました。彼女も元宝塚スターのプロです。その朗読を縫うように混声合唱団によって聖歌が歌われましたが、本当に「素晴らしい」の一言。歌唱の上手さ云々ではなく、祈りに誘ってくれる歌声でした。十河さんの構成の巧さの光る作品となっていました。誰がプロデュースしたわけでもないのに、証言、バイオリン演奏、原爆詩と聖歌に依るレクイエムと一連の流れが一つになって平和の祈りへと昇華して行く至福の2時間でした。
10日は近隣の四つの教会の110名が集まって合同感謝礼拝がもたれました。新港教会の岩崎謙牧師から「平和の王の到来」と題して、イザヤ11:1-10の御言葉を通して説教を戴きました。熊は熊、獅子は獅子と同じ者が集まっても平和とはいえない。熊も獅子も牛と共に草をはみ、共に伏す時、大地は主を知る知識に満たされる平和となる。教会はそれぞれ違っていても「アーメン」と共に祈る恵みを皆受けていると力強い励ましを下さいました。
養成部
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