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遊びの心から、美しさが生まれる(5)〜家庭訪問の分かち合い〜

2003年の1月5日から、大河ドラマ「武蔵」が放送されている。子供の頃に虐待された武蔵は「俺は必ず強くなる」という人生の目標を何度も確信して、修羅の道を歩み続けている。武蔵は町から町へ飛び回り、いろいろな道場で自分の腕を試している。しかし、第12回の放送で偶然に出会った人々との触れ合いの中で、武蔵の心は「遊び心から美しさが生まれる」「美しさが修羅の道より、ずっとずっと大切だ」ということばにかなり引っ掛かった。おそらく、これからの武蔵は「剣道の美しさ」に目を引くようになるのではないか、私は勝手に予想していたが、「なるほど、人生の歩みを遊びの心で見つめるなら、人生の中にある美しさはどんどん湧き出るようになる」と、私自身も考えさせられた。

今回の武蔵の場面をきっかけに、実際に今まで家庭や病院の訪問をしてきた体験から、私は何度も多くの方々の「人生の美しさ」に出会ったことを改めて実感した。年配の方々は病気や年のせいで体力が弱ってくるが、喜びから孤独に激しく入れ替わる日々の生活を送っても、その方々の人生の美しさは不思議にいつも私に伝わってくる。それは、自分たちの実力に頼って生きていくのではなく、神の憐れみによって生かされている恵みを十分に味わって、「ゆとりのある心」つまり「神と共に対話して、ゆっくり神と共に遊ぶ心」を持つからこそ、ますます彼らは「人生の美しさ」を多くの人々に表していくのではないか。

3月16日に六甲教会の信徒総会が開かれて、信徒会と専門部会の代表の方々の話を聞きながら、現在地区会の動きの中で、年配の方々の触れ合う「場」は多くなることが分かった。これは本当にうれしい知らせ。そのような触れ合いの「場」をどんどん広げていけば、きっと六甲教会共同体は「人生の美しさ」を分かち合う「よりどころ」になるに違いない。

(バンバン・ルディアント神父)

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