昔々或るところに、一人の若い修道者と、もう若くはない修道者がいました。この二人は、ルカ福音書に出てくる放蕩息子の例話について話し合っていました。若い方が、次の質問をしました。「どうしてこの物語には、放蕩息子のお父さんも、お兄さんも、そして僕（しもべ）さえも出ているのに、お母さんは全然出てこないのか？」

長老の修道者は答えました。「当たり前さ。だって、もしもお母さんがいたならば、息子は家出しなかっただろう」。　成る程！

私たちには、天のお父さんだけではなく、マリアさまというお母さんもいます。そして、キリストはその息子ですから、キリストは私たちのお兄さん（長兄）ということになります。だから、私たちは（聖ヨセフほどの聖人ではないとしても）同じ聖家族のフル・メンバーではないでしょうか。嬉しいことですね。