「ホイヴェルス神父、日本人への贈り物」
土居健郎・森田明・編
春秋社発行
ヘルマン・ホイヴェルス神父(1890年、ドイツ生まれ)は1923年に来日した。以後、54年にわたる宣教、教育活動の間、上智大学教授および学長をされ、戦後は多年にわたり麹町教会主任司祭を務め、その霊性と深い日本理解によって多大の感化を日本人に与えつづけられた。
この書は、神父から直接聞いた言葉の記録と彼の2つのまとまった文章とで編集されている。本書がなぜ「日本人への贈り物」と題されたかについて編者は次のように述べておられる。「贈り物というのは神からの贈り物という意味であり、それこそ福音の本質を示す言葉でもある。神父はこの贈り物を日本人に配ることに一生を捧げた。神父ほど日本語の独特のニュアンスに敏感であった人は少なく、彼はキリスト教と日本文化の接点を求めて、かつて誰も見い出したことがないものを発見した。また、こよなく日本を愛した彼自身にとっては、日本こそが神からの贈り物であったようである」と。
本書の中の「人生の秋に」という項にでてくる「最上のわざ」という詩はあまりにも有名ですが、ご存じない方は是非一読をお勧めします。また、どの言葉、文章を読んでも、神父のやさしさ、深い思索また時には絶妙なユーモアが感じられ、読む人をほのぼのとさせてくれます。
(釜田)
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