今年の婦人会の遠足は5月23日(木)バンバン神父様・ヨンパルト神父様がご参加下さり、約65名がバス2台で桜井神父様の盛大なお見送りを受けながら教会を定時に出発しました。
第一の目的地・聖公会奈良教会では、聖公会のご理解をいただき、カトリックのミサをあげさせていただけたことは感謝で一杯です。
この教会は近鉄奈良駅から土産物屋が並ぶ商店街を少し南に行った、賑やかな場所に在り、信徒の皆様が明治初期から建設資金計画などを綿密に立て、昭和の初期に建てられた聖堂は、信者の宮大工さんが設計にも関わり、建築されたそうです。宮大工といえばその名の通り、神社・仏閣の建築に携わる人ですが、キリスト教の信者であったことも不思議なことのように思いました。聖堂は内外部とも和風建築で、内部は柱などの木部は白木のまま、壁は聚楽のような砂壁、床は板張りで簡素ながら落ち着いた美しい空間で、家具も全て当時のままのものが今も使用され、くるいが全然なく、当時の職人さんたちの優れた技術と計画を目の当たりにすることができます。清冽な聖堂の中で、唯一色彩の有るのが、正面の壁に掛けられたdossel(ドーサル)と呼ばれる装飾的な垂れ幕で、この教会の100周年記念に新調されたそうです。口径の異なったパイプにデザインされた通に絹糸を巻いて色の変化をつけ、それらを縦に並べて固定した、遠くから見ると細かなドレープのあるカーテンのように見える美しいものでした。大切に管理の行き届いた建物は信者の方々の手の温もりが伝わってくるような気がしました。
第二の目的地「浄瑠璃寺、岩船寺」は緑の中に埋もれた美しいお寺で、建物・仏像ともに歴史あるものですが、どちらも様々な花が植えられていることでも知られています。あいにく、端境期で咲いているお花が少なかったですが、その分観光客は少なく、心の落ち着くよいお寺でした。
奈良教会ではミサの後で役員さんがパイプオルガンを演奏して下さいました。オルガンの音が聞こえたのでしょうか、教会併設の幼稚園の子どもさんが、大きなドアを力一杯開けて中に入り、名演奏に驚いたのか、それとも大勢のおばあちゃん(子どもの目から見れば)に驚いたのか、大きな目をパチクリとした表情も可愛らしいことでした。
このように良い一日を皆で持てたことに感謝しつつ、帰路につきました。